Department of Humanities

 


学科長から君たちへのメッセージ

野々瀬浩司(人間文化学科教授)

 人間文化学科は、平成12年度に開設された、防衛大学校で一番新しい学科です。平成16年3月に本学科第1期生(防大48期)が卒業し、平成24年3月18日には本学科第9期生(防大56期)が巣立っていきました。現在、本学科第10期生(4年生:防大57期)として23名(うち女性3名、カンボジア留学生1名)、本学科第11期生(3年生:防大58期)として28名(うち女性5名、カンボジア留学生1名)、本学科第12期生(2年生:防大59期)として36名(うち日本人女性7名、東ティモール女性留学生1名)が人間文化学科で学んでいます。防衛大学校で人文科学的な専門教育が受けられるのは、唯一この学科だけです。
 人間文化学科の教育目標は、学科名(Department of Humanities)が示しているように、 人間に対する深くて温かい洞察力を養い、日本および世界各地域の文化や歴史に関する幅広い知識・理解を持ち、かつ、実践的な語学力をもとに、自らの立場を文化的背景の異なる相手に理解させるための異文化コミュニケーション能力をもった学生を育てることです。それを言い換えれば、社会現象の背後にある精神的事象への深い洞察力と、国際化が進展する現代の社会情勢に的確に対応し得る主体的な判断力を備えた人材を育成するために、厳密な学術的方法に基づく人文科学的観点から人間の本質を追究し、日本及び世界各地域の文化に関する総合的な理解を実現することであると表現できます。
 ところで、防衛大学校で学生として人文科学を学ぶ意義は、どこにあるのでしょうか。何か社会のために、すぐにでも実践的に行動したいと考えている人がいるかもしれません。あるいは、自衛官として即座に役立つ実学的な諸学問を学びたいと希望する学生がいるかもしれません。確かにそれらの選択も意義ある行為の一つだと思われます。しかし、今学生としてしっかりとした人文科学の諸学問を学び、実力を蓄えることも、正しい選択肢の一つです。海外の士官学校では、複数の人文科学系の学科が設置されています。
 人文科学と社会科学は、研究のアプローチに関して異なる部分を持っていますが、それぞれ独自の利点を有しています。例えば、9.11の航空機によるテロ事件という出来事に対して、人文科学ではどのような研究が可能なのでしょうか。政治・外交・経済・組織論などの社会科学的な諸分野によっても、それに関する優れた研究が可能ですが、テロを生み出した精神的な土壌・文化的な背景あるいはその歴史的経緯を考察するためには、人文科学的な研究方法が必要となります。安全保障という分野は、今後より多角的な学術的アプローチによって広げられ、深められるべきだと考えます。異文化理解を学習することは、平和構築のためには効果的な戦力になるのではないでしょうか。また、近年ストレスなどによって自衛官が精神的なトラブルを抱えるケースが頻発していますが、学生時代に心理学を学んでいたことは、その問題の対策を考える際には大切な指針を提供してくれます。深い人間の内面的理解は安全保障に貢献します。
 毎日のようにインターネットやマスコミなどを通じて、現代社会において様々な情報が飛びかっています。それらの中には、私たちの目を曇らせるような正確でない情報も含まれています。情緒や感情に流されて冷静さを失う人々も、巷では多く見られます。このような状況下で学生にとって必要な事項として、まず、科学的に分析する能力を身につけることを挙げたいと思います。様々な情報を自分自身の中で徹底的に消化し、吸収し、その緊張感を知識として学ぶ時に、合理的な思考力と科学的な分析力が求められるのです。人間文化学科では、歴史・文化論・コミュニケーション論・心理学・思想・哲学・地理・文化人類学などの多様な学問を学ぶことが可能です。どの学問でも結構ですので、その中の一つの学問の研究方法をきちんと習得すれば、情報を収集し、分析し、批判し、真に価値あるもののみを見分ける能力を身につけることができます。大学での教育の意味の一つは、ものごとを合理的に判断し、それに基づいて的確に行動できる人材を育成することにあります。このような事態において、人文科学的な教育は、現在の問題を近視眼的に見るのではなく、広い視点から大局的に考える志向性を養うのです。
 防衛大学校の建学の精神の中に、「豊かな人間性の形成」というものがありますが、人間文化学科で展開されている人文諸科学は、その育成に最も役立つ学問の一つです。教養とは、ドイツ語ではBildungと言いますが、それは単に幅広い知識を多く持っているという意味だけではなく、人格形成・人格の陶冶という意味を持っています。学問を通じて、知的訓練を行うだけではなく、自己の人格を磨いて人間性を高めることも、この学科の重要な教育方針の一つです。自分が学んだ学問が、その人の人間性を育てることが多いのです。
 人間文化学科では、語学の授業が多く展開され、英語および第2外国語(中国語、韓国語、ドイツ語、フランス語、ロシア語、アラビア語)の at home な少人数制語学ゼミナールが開講されています。さらには、世界の各文化圏ごとに、地域文化論、歴史、地域思想論の講義を展開し、加えて普遍的な人間性に対する理解を深めるため、哲学や心理学の講義を開講しています。卒業生には、本学科で身につけた異文化コミュニケーション能力や人間理解力を生かし、明日の陸上・海上・航空3自衛隊を担う幹部自衛官として活躍するだけでなく、国際平和維持活動、各国大使館に派遣される防衛駐在官、諸外国との安全保障の対話、諸外国との信頼を醸成する業務をはじめ、戦史教育、心理幹部などの分野でもどんどん活躍することを期待しています。近年、自衛隊の国際平和協力活動が重要な任務となり、自衛隊が海外に派遣される機会が増しています。その指揮を担う幹部自衛官には、異文化理解に基づいて他国の人々と適切にコミュニケーションをとる能力が重視されています。その際には、語学力に加えて、人間の本質を理解し、幅広い教養に基づいて、人間やその社会のあり方を知る能力が必要です。そのためには、歴史、思想、文化、宗教、心理について学ぶ方法を身につけることは、非常に大切だと私は思います。これらの分野は、人間の本質を最も深く理解できる重要な学問分野の一つです。
 異文化社会に興味がある人、外国語や外国の歴史が好きな人、日本の文化や歴史にこだわる人、人間が好きで人間の本質について知りたい人、人と人との関係やコミュニケーションに興味がある人、そして日本のために世界で活躍したい人、私たちはそういう君たちを待っています。

 


  学生座談会・人間文化学科はこんな学科だ!!

  人間文化学科 全教官紹介 

  授業風景 

 

   人間文化学科卒業研究

 18年度卒業研究中間発表会

 19年度卒業研究中間発表会

 20年度卒業研究中間発表会

 17年度卒業研究発表会

 18年度卒業研究発表会

 23年度卒業研究発表会2/28 new!!

 

 

人間文化学科授業担当教官への学生突撃インタビュー特集

川崎教官(文化人類学)   山近教官(人文地理学)

掛田教官(中国語・中国史)   井上教官(日本近世文学)

野々瀬教官(宗教史)   木村教官(ドイツ語・ドイツ文学)

尾崎教官(アラビア語・イスラム文化)   水野教官(漢文学・陽明学)

田中(浩)教官(アメリカ文化・英語)   副田教官(日本近代文学)

永岑教官(ストレス管理論・心理学)   浜村教官(心理学)

 

平成20年卒業式



人間文化学科校外研修

ユーラシア文化館・開港資料館・神奈川県立博物館

大英博物館展   東西文化交流展  トルコ文明展

国会図書館  新聞社見学  神奈川県立博物館・開港資料館

横須賀歴史編纂事業・金沢文庫・大日本帝国憲法起草の地   大兵馬俑展

鎌倉歴史見学  ルーブル美術館展・日本新聞博物館 

18年度2学年  金沢文庫  4学年 鎌倉

19年度2学年  開港資料館・神奈川県立歴史博物館

横須賀市市史編纂室、横須賀市逸見浄水場 金沢文庫

4学年 鎌倉

20年度3学年 鎌倉文学館と県立近代美術館   校外研修2

21年度2学年 憲政記念館と皇居

22年度2学年 神奈川県立歴史博物館と横浜開港資料館   3学年 参議院

23年度2学年 大横須賀展・野島公園  東洋文庫 2/21 new!!

3学年 国立博物館   4学年 鎌倉3/27 new!!

 

異文化体験旅行

13年度台湾旅行記  14年度シンガポール・マレーシア旅行記

16年度中国広州・桂林・石林・昆明旅行記

17年度ベトナム・ハノイ旅行

18年度ウィーン・メルク・プラハ・ローマ旅行記

19年度中国上海・蘇州・杭州・南京旅行記1

20年度フランス・オランダ・ドイツ旅行記1  20年度イタリア旅行

21年度ドイツ旅行    22年度ワシントン滞在記

23年度スペイン旅行

 

防衛大学校海外派遣学生

オーストラリア士官学校   イギリス陸軍・海軍・空軍士官学校

フランス陸軍士官学校   韓国陸軍・海軍・空軍士官学校

アメリカ空軍士官候補生会議   米国陸軍士官学校主催国際情勢会議

アメリカ海軍兵学校   フランス海軍士官学校

シンガポール軍士官学校 アメリカ空軍士官学校

アメリカ陸軍主催国際情勢会議   ドイツ陸軍・海軍・空軍士官学校 

 

講  演

   ウィリアム・ナフ氏(MIT名誉教授)『国際交流と日本文学』 

ブリジット・スティーガー氏(ウィーン大学助教授)『日本における眠りの文化』

ベケシュ氏(リュブリャーナ大学教授)
『言葉から見た民族と国家の形成と崩壊 旧ユーゴ諸国を中心に』

西村康子氏『若者は海外でどのように日本文化を紹介すべきか』

イサム・ハムザ氏(カイロ大学准教授)『日本・イスラム世界の文明対話の基礎』

 

「映画で考える」

  「Psycho」   「Joy Luck Club」

「ポセイドンアドベンチャー」   「トッツィー」   「The Last Emperor」

「007は二度死ぬ」   「レベッカ」

  「12人の怒れる男たち」  「メメント」  「エス」

「サイコ」


卒業生の部屋


***2012.3.28 更新***    ホームページへのご意見・ご質問をお寄せ下さい (ここをクリック)


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